【ITストラテジスト試験対策】一発合格のための学習スケジュールと戦略
受験の感想
令和5年度春試験でITストラテジスト合格しました!
もともとエンジニアとして前職では組み込み系の研究開発、現職では画像や点群処理、AIを専門にしてきましたが、将来的には専門知識を持ったITコンサルもしたいと思って勉強していました。(普段はこんなこと専門にしてます)
社会人歴もまだひとケタなので実務経験は少ないですが、今までやってきたことや開発経験の整理とITストラテジストの専門知識を習得することで合格できました。
(午前試験はもう少し勉強すればよかった。。)
ITストラテジストを目指す方の試験対策の参考に少しでもなればと思い、振り返ってみます。
スケジュール感
勉強を本格的に始めたのは試験の4か月前くらいです。
IPAの資格は基本情報技術者しか取得していなかったので、午前Ⅰの免除はありませんでした。
- 試験4か月前~
・試験までのスケジュールを立てる
・午前Ⅰ、午前Ⅱの勉強を通勤時間ではじめる
・午後Ⅱ対策で世の中のIT導入事例を気にしてみる - 試験3か月前~
・午前Ⅰ、午前Ⅱの勉強は通勤時間で継続中
・いったん午後Ⅰを解いてみて、得意そうだったから学習の優先度を下げる
・午後Ⅱ対策でいくつか書籍を読む - 試験2か月前~
・午前Ⅰ、午前Ⅱの勉強は通勤時間で継続中
・午後Ⅰは傾向をつかむために週に1問解く
・午後Ⅱ対策で過去の開発経験の棚卸、章立ての練習をはじめる。2回ほど論文を書いてみる(8割くらいの完成度) - 試験1か月前~
・午前Ⅰ、午前Ⅱの勉強は通勤時間で継続中
・午後Ⅰは平日に週2問解く
・午後Ⅱは週末の時間が取れる時に章立て練習。時間を計って本気論文1回。平日は参考書読み込み。 質問書(アンケート)の準備
午前Ⅰ対策
午前Ⅰは応用情報技術者試験過去問道場をひたすらやりました。
https://www.ap-siken.com/apkakomon.php
通勤時間を使って直近7年分をランダムに解いていました。しばらくこなすと統計情報から苦手な分野がわかるので、その分野に絞って学習したりしていました。
午前Ⅱ対策
午前Ⅱは過去問や問題集を解いて慣れるのが最短の学習法だと思いますが、私は基礎から学ぼうと思い最初に下記参考書の専門知識の箇所をひと通り読みました。
【ITストラテジスト「専門知識+午後問題」の重点対策】
ひと通り読み終わって専門知識を広く浅く身に付けたら問題を解いていきます。
【情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2022年版】
問題も豊富でwebアプリもついています。解説もわかりやすいのでおすすめです。
【 ITストラテジスト過去問対策.com】
こちらはITストラテジストの過去問が掲載されているwebサイトです。定期的に現在のレベルを確認するために使っていました。
https://ids.information.jp/st/
午後Ⅰ対策
午後Ⅰ対策は、参考書で行いました。午前Ⅱと同じ【ITストラテジスト「専門知識+午後問題」の重点対策】を使用しました。
基本的には問題を解いて、解説を読むというだけです。
午後Ⅰは大問4つの中から2つを自分で選択して解いていきます。
私の問題選択の基準は知っている分野かどうか、知っている単語が多いかという基準で選んでいました。
まずはじめに、4つの問題を軽く読んでみて、ストーリーが想像できないものをパスしていました。
問題選択は10分から~15分が目安。
実際に問題を解く際は、
問題文をすべて読む ⇒ 設問を読む ⇒ 解答になりそうな箇所を探して前後を読む ⇒ 解答を考える ⇒ 文字数調整
の順番で解いていました。
この中で最も意識していたのは、
・設問をよく読む
です。
設問を一回読んでから、問題文をもう一度読んでおおよその解答を作成しますが、そこでもう一回設問を読んで問われていることに答えられているかを確認していました。
問題文が長いのでいろいろ考えながら読んでいるうちに設問とは少しずれた解答になってしまうことがあったので、設問をよく読んで理解することを心掛けました。
あとは、答えは必ず問題文の中にありますのであきらめずに。
午後Ⅱ対策
午後Ⅱ対策はおおよそ以下の流れで行いました。
①論文の書き方を学ぶ
②論文事例を読む
③過去問を使用して章立ての練習をする
④自身の業務経験や事例集から論文テーマを3~4個リストアップする
⑤リストアップした論文テーマで章立て、内容の深堀を行う
⑥過去の出題テーマと自身で考えた論文テーマの対応付けを考える
⑦ 質問書(アンケート)の準備
⑧リストアップした論文テーマから2回くらいは実践と同じ形式で問題を解いておく
論文の書き方を学ぶ
午後Ⅱ対策は何から始めて良いのかわからなかったので、まずは参考書を読んで論文の書き方を学びました。
以下の参考書は第1部に論文の書き方、第2部に論文事例が載っています。
第1部の書き方のコツや進め方の部分を参考書に沿って手を動かしながら読み進めました。
【ITストラテジスト 合格論文の書き方・事例集】
論文事例を読む
先ほどの参考書の第2部に事例が載っているので、それを読んでITストラテジスト試験での論文のくせや構成、論文への解答の落とし込み方を学びました。
出題テーマは、業務プロセス改善やDX、組込みシステムなどがあるのでバランスよく読むようにしました。
過去問を使用して章立ての練習をする
設問に的確にこたえるには章立ての精度が重要だと考えて過去問を使用して章立ての練習をしました。
設問をよく読みこんで、設問の解答が論文の中に落とし込めるような章立てを意識しました。
自身の業務経験や事例集から論文テーマを3~4個リストアップする
私は自身の業務経験から組込みシステムの開発と画像認識アプリの導入について、
社会人歴が少ないので、会社がやっていたIT導入によるDX推進プロジェクトをいくつか参考にしてテーマを考えました。
リストアップした論文テーマで章立て、内容の深堀を行う
上記でリストアップしたテーマについて章立てと深堀をしていきます。
以下が意識したことです。
- 業界の特性は把握しておく(競合や将来性など)
- 市場調査や分析の際はフレームワークを使っていることが多いので、使用したフレームワーク名は記述する
- IT導入の課題と目的は明確にする
- 課題はそれを課題と思った根拠を示す
- 事業目標や経営層への説明は具体的な数値を伝える
- ステークホルダと関わり方を確認しておく
- 導入プロセスは小さいところから徐々に大きいところへ展開していく
- ストーリーの流れは、課題⇒対策⇒実行⇒改善⇒実行⇒効果測定を意識
- ITストラテジストとしての意見を述べる
過去の出題テーマと自身で考えた論文テーマの対応付けを考える
過去の午後Ⅱの出題テーマは、事業戦略の策定、業務効率改善、DX導入、個別システム最適化、組込みシステムなど多岐にわたります。
自身が考えた論文テーマがどの出題テーマに対応できそうかをあらかじめ考えておくことで当日の解答をスムーズにできます。
質問書(アンケート)の準備
午後Ⅱ試験では、解答の前提となるシステムやサービスまたは製品の概要を記載する質問書(もしくはアンケート)をはじめに記入しなければなりません。
質問書の内容は毎回同じなので、当日は論文記述に時間をかけるためにも、プロジェクトの工数や期間、費用など質問書の回答はあらかじめ用意しときます。
リストアップした論文テーマから2回くらいは実践と同じ形式で問題を解いておく
午後Ⅱの試験は時間との勝負になります。制限時間内で書ききれるように練習をしておくのがおすすめです。
内容に関しては、論理が飛躍しないことときれいな字を書くことを意識しました。
当日の手応えとまとめ
各試験直後の感想
午前Ⅰ:微妙なライン、手応えなし。
午前Ⅱ:微妙なライン、手応えなし。
午後Ⅰ:たぶん合格点には届いている。午前試験もっと勉強すればよかった。
午後Ⅱ:結果はわからないが、自身としては満足のいく記述ができた。午前試験もっと勉強すればよかった。
当日は午前試験が運良く突破できていれば、合格するかもな~くらいの手応えでした。
結果は最初に示した通り、午前Ⅰが60点台でギリギリ通過でなんとか合格でした。
資格試験を通して、
業界の調査や企業の課題抽出、目的に合わせた課題解決方法の提案、導入プロセス、効果測定、経営層視点での考え方
など多くのことを知ることができて良かったです。
午後Ⅱ合格解答
解答を開示請求しました。参考にしてみてください。
https://note.com/borun2525/n/n199381dd3109?sub_rt=share_sb
おまけ
参考書以外に読んだ本を紹介します。
【業務改革の教科書: 成功率9割のプロが教える全ノウハウ】
業務改革について理解を深めたいと思い選定。
実例やプロセスが豊富に記載されており、業務改革の流れや分析方法などを知ることができた。
【製造業DX 入門編】
製造業に関するDXを学びたいと思い選定。
なぜ製造業でDXが必要なのかや、デジタルシミュレーションによって実現できることが述べられている。新しいシステムを導入するため準備することや進め方を学ぶことがでた。
【ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本】
ITストラテジストを目指す方が良く読んでいる印象なので選定。
体系的な業務知識がまとめられており、経営や財務、人事など会社組織に必要な機能が理解できた。
【イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」】
専門的な知識だけでなく、考え方についても学びたいと思い選定。
問題解決に取り掛かる前にその問題の本質を見抜くことが生産性向上には重要だと分かった。
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