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3Dデータの表現方法を解説!点群・メッシュ・ボクセルの違いと使い分け

2026年3月14日

3Dデータの世界には、用途や計測手法に応じて様々な表現方法が存在します。どの表現を選ぶかによって、処理の速度や精度、そして扱えるアルゴリズムが大きく変わるため、それぞれの特徴を正しく理解することは非常に重要です。

こちらの記事でも簡単に紹介していますが、今回は「Raw Data」「Surface」「Solid」という3つの大きな分類に基づき、各表現方法を詳しく深掘りしていきます。

3Dモデル表現の全体像と分類

3Dデータの表現は、そのデータの生成過程や「何を表現したいか」によって、大きく3つの階層に分けられます。

  • ①Raw Data(生データ):計測機から得られた直後の、加工されていない情報の集合。
  • ②Surface(サーフェス):物体の「表面(境界)」のみを定義する表現。
  • ③Solid(ソリッド):物体の「中身」まで含めた体積情報を定義する表現。
Raw Data
Surface
Solid
3Dモデル表現の分類ツリー

1. Raw Data(生データ)

Raw Dataは、LiDARやRGB-Dカメラなどのセンサーから出力される、加工前のデータ形式です。計算負荷は低いですが、形状としての連続性や構造の情報を持っていないのが特徴です。

Point Cloud(点群)

3次元空間上の座標値 $(x, y, z)$ を持つ点の集合です。色情報 $(R, G, B)$ や反射強度(Intensity)、法線ベクトルなどの属性を持つこともあります。
シンプルで扱いやすい反面、「点の並び順に意味がない(順序不同性)」ため、ディープラーニングなどで扱う際には工夫が必要です。

Depth Image(距離画像 / レンジ画像)

各ピクセルに「カメラからの距離(深度)」が格納された画像データです。2次元の格子状にデータが並んでいるため(2.5次元表現)、通常の画像処理アルゴリズム(CNNなど)を適用しやすいというメリットがあります。

出典:Princeton University CO426

Polygon Soup(ポリゴンスープ)

三角形(ポリゴン)の単なるリストです。見た目はメッシュに近いですが、「どの面とどの面が繋がっているか」という位相(トポロジー)情報を持たないため、解析や変形には不向きです。文字通りポリゴンが「スープ」のようにバラバラに入っているイメージです。

出典:Princeton University CO426

2. Surface(サーフェス)

サーフェス表現は、物体の「境界表面」のみを記述します。中身は空洞であり、厚みや質量の概念はありませんが、レンダリング(表示)において最も一般的な形式です。

Mesh(メッシュ / 多角形表現)

頂点(Vertices)を辺(Edges)で結び、面(Faces)を構成する表現です。GPUとの相性が良く、3DCGやゲームエンジンで最も広く普及しています。

Meshによる表現

Subdivision(サブディビジョン / 細分割曲面)

粗いポリゴンメッシュを、アルゴリズム(Catmull-Clark法など)によって再帰的に細分化し、滑らかな曲面を生成する手法です。モデリング時に少ない制御点で複雑な形状を作れるのが利点です。

Parametric & Implicit(パラメトリック・陰関数)

数式によって曲面を定義します。Parametric(B-splineやNURBS)はCADで多用され、Implicit(陰関数)は $f(x, y, z) = 0$ となる点の集合として、非常に複雑な形状やモーフィングを表現するのに適しています。

3. Solid(ソリッド)

ソリッドモデルは、物体の内部情報(体積)を保持します。密度や材料特性を設定できるため、質量計算や物理シミュレーション、製造業(CAD/CAM)で必須となる表現です。

Voxel(ボクセル)

2Dの「ピクセル」を3Dに拡張した概念で、小さな立方体(セル)を敷き詰めて形状を表現します。グリッド状に並んでいるため、3Dのディープラーニング(3D CNN)で扱いやすい一方、解像度を上げるとデータ量が爆発的に増えるという欠点があります。

※ボクセルの詳細についてはこちらの記事もご参照ください。→参考記事

CSG (Constructive Solid Geometry)

球、立方体、円柱などの基本形状(プリミティブ)に対して、和(Union)、差(Difference)、積(Intersection)の集合演算(ブーリアン演算)を組み合わせて複雑な形状を生成する手法です。

CSGによる形状合成

BSP Tree & Sweep(空間分割と押し出し)

BSP Treeは、平面を使って空間を再帰的に2分割し、階層構造で形状を管理します。主に表示の高速化や干渉チェックに利用されます。
一方、Sweep(押し出し)は2次元の断面をパスに沿って動かすことで3Dモデルを生成する、直感的なモデリング手法です。

まとめ:どの表現を選ぶべきか?

今回紹介した手法の使い分けを簡単にまとめます。

カテゴリ 主な用途 メリット
Raw Data 自動運転、測量、入力データ 計測が容易、情報量が多い
Surface CGアニメーション、ゲーム 描画が高速、外観が滑らか
Solid 製造、建築、解析、3Dプリント 質量計算が可能、中身を定義できる

それぞれの特性を理解し、プロジェクトの目的に最適なデータ形式を選択しましょう。

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